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グリム童話: 子供たちと家庭の童話
グリム童話の一覧 (ページ 8)
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小羊と小魚
昔、兄と妹がいて、心からお互いを愛していました。しかしながら、二人の生みの母親は死んでしまい、継母がいましたが、やさしくなく、二人をいじめるため密かに何でもしました。あるとき、二人は家の前の草地で他の子供たちと遊んでいました。また草地の中に家の片側に近いところまできている池がありました。子供たちはそのあたりを走り、お互いをつかまえ、数え遊びをしていました。「エネケ、ベネケ、私を生かして、私はあなたに小鳥をあげる、小鳥にわらを探させる、食べるわらを牛にあげる、かわいい牛はミルクをくれる、ミルクを私はパン屋にもっていく、パン屋はケーキを焼く、ケーキを私は猫にあげる、それで猫はネズミをとる、ネズミを私は煙の中につるす、それであなたは雪を見る」子供たちはこの遊びをするとき輪になって立ち、雪の言葉がくる子は逃げなくてはならなくて、他の子供たちがその子を追いかけつかまえました。子供たちが楽しそうに走り回っていると、継母は窓から見て,怒りました。それで、継母は魔法の術をわかっていたので、二人とも魔法にかけ、兄を魚に、妹を子羊に変えました。それで、魚は池をあちこち泳ぎ、子羊は草地をあちこち歩き回りまし
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142
ジメリの山
昔、二人の兄弟がいました。兄は金持ちで弟は貧乏でした。ところが金持ちの兄は貧しい弟に何もあげませんでした。それで弟は穀物を売ってやっと暮らしをたてていましたが、ひどい時はおかみさんや子供に食べさせることもできませんでした。あるとき、手押し車を押して森を通っていると、片側に大きな木が生えていない禿げ山が見えました。弟は前にその山を見たことがなかったので、立ち止まって呆気にとられて眺めました。 こうして立っていると、12人の大きな荒くれ男たちがやってくるのが見え、弟はその男たちが強盗に違いないと思ったので、手押し車をやぶの中に押し込め自分は木に登って、何が起こるか見ようと待っていました。ところが12人の男たちはその山に行き、「ゼムジ山、ゼムジ山、開け」と叫びました。途端に木の無い山は真ん中がぱくっと開き、12人は中に入って行き、みんなが入ってしまうとすぐ山は閉じました。 しばらくすると山は再び開き、男たちは重い袋を肩にかけて出てきて、みんながまた明るいところにでてしまうと「ゼムジ山、ゼムジ山、閉じろ」と言いました。すると山は閉じて、もうその山に入口は見えなくなり、12人は立ち去りました。男
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旅にでる
昔、息子が一人いる貧しい女がいました。息子はとても旅にでたがりましたが、母親は、「お前はどうやって旅ができるの?お前が持って行くお金がうちにはないんだよ。」と言いました。すると息子は「自分で何とかするよ。いつも、あまり無い、あまり無い、あまり無い、と言うことにする。」と言いました。 そこで息子はしばらく歩いていき、いつも「あまり無い、あまり無い、あまり無い」ととなえていました。すると、漁師たちが集まっているところを通りかかり、「ご幸運を!あまり無い、あまり無い、あまり無い」と言いました。「何だと?若造、あまり無い、だと?」そして網が引き出されるとあまり魚が入っていませんでした。そこで漁師の一人が若者を棒でなぐり、「どうだ、二度となぐられたいと思わないだろう。」と言いました。「じゃ、何て言えばいいんですか?」と若者は尋ねました。「いっぱいつかまえろ、いっぱいつかまえろ、と言うんだ」 そのあと、若者はしばらく歩き、「いっぱいつかまえろ、いっぱいつかまえろ」と言っていましたが、首つり台のところにさしかかりました。そこでは可哀そうな罪人がいて、しばり首になるところでした。それで若者は、「お早う
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小さなろば
昔、王様とお后が住んでいました。二人は裕福で望む物は何でもありましたが子どもだけはいませんでした。お后はこれを日夜嘆いて、「私は何も生えない畑みたいなものだわ。」と言いました。とうとう神様がお后の願いを叶えてくださいましたが、子供が生まれてみると、人間の子供には似ても似つかない小さなロバでした。母親はそれを見ると、とても嘆き、泣き叫んで言いました。「ロバの子ならいっそ子どもがいない方がずっとよかったのに。こんな子は川に捨てて魚に食べさせればいいのよ。」しかし王様は、「いいや、神様がくださったのだ。この子はわしの息子で跡継ぎだ。わしが死んだら、玉座に座り、王冠を頂くのだ。」と言いました。 それでロバは育てられ大きくなり、耳は高くまっすぐ伸びました。朗らかな性格で、あちこち跳ねまわり遊びましたが、特に音楽が大好きでした。それで有名な音楽家のところに出かけて、「あなたのようにうまいリュートの弾き方を教えてください」と言いました。「まあ、ぼっちゃん」と音楽家は答えました。「君にはかなり難しいんじゃないかな、君の指はリュートにはあまり適していなくて、あまりにも大きすぎるから、弦がもたないと思うよ
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恩知らずの息子
或るとき、男と妻が家の戸口に座っていました。二人は焼いたニワトリを前において、今一緒に食べようとしていました。そのとき、男は自分の年老いた父親がやってくるのを見て、急いでニワトリをとると隠しました。というのは父親に食べさせる気がなかったからです。年寄りは来て、飲み物を飲んで、去っていきました。それで今、息子は焼いたニワトリをまたテーブルに出そうとしましたが、とり上げてみると、それは大きなヒキガエルになっていました。そして男の顔に跳び付くとそこに居座って二度と去りませんでした。もし誰かがヒキガエルを離そうとすると、カエルはまるでその人の顔に跳ねそうにして毒々しくにらむのでした。その結果、だれもあえてそのヒキガエルに触ろうとしませんでした。しかも恩知らずの息子は毎日カエルにえさをやらねばなりませんでした。さもないと、男の顔を食ったからです。こうして男は休みを知らず世間を歩き回りました。
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かぶ
昔、二人の兄弟がいて、二人とも兵士として務めましたが、一人は金持ちで、もう一人は貧乏でした。すると貧しい男は、貧乏から抜け出そうと思い、兵士の服を脱ぎ捨て、お百姓になりました。男は少しばかりの土地を掘り起こし、かぶの種を播きました。種は芽を出し、一つのかぶが大きく丈夫に育って、みるみるうちにだんだん大きくなっていき、とどまる様子がありませんでした。それでかぶの王女と呼んでもよいくらいでした。というのは後にも先にもそんなに大きいかぶは見られないだろうからです。とうとうかぶは巨大になり、それだけで荷車いっぱいになったので、荷車を引くのに牛が二頭必要になりました。お百姓はかぶをどうすればよいか、そのかぶが自分にとって幸か不幸か、まるきり見当がつきませんでした。 おしまいに、(売ったら、大した金にもなるまい、自分で食べたとしても、まあ、小さなかぶだって味は同じだ、王様のところへ持って行って差し上げた方がよさそうだ)と考えました。そこで荷車にかぶを積み、二頭の牛に引かせて、王様のところへ持って行って贈り物にしました。「何とも珍しいものだ」と王様は言いました。「不思議な物はたくさん目にするが、こん
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若く焼きなおされた小男
神様がまだこの地上を歩いていた頃、神様と聖ペテロはある晩鍛冶屋に立ち寄り、ただで泊めてもらいました。するとたまたま、年とって体が弱りよぼよぼになった貧しい乞食がこの家に来て、鍛冶屋に施しを願いました。聖ペテロはこの乞食を気の毒に思い、「主よ、お気に召すなら、この男が自分のパンを稼げるように苦しみを解いてあげてください。」と言いました。神様はやさしく、「鍛冶屋さん、私に炉を貸してくれませんか、それから石炭をくべてほしい。そうすればこの苦しんでいる老人をまた若くするから。」と言いました。鍛冶屋は喜んでそうして、聖ペテロはふいごを吹き、石炭の火が大きく高く燃え上がりました。それで神様は小さな老人を連れて行き、炉の赤く熱い火の真ん中に老人を押して入れました。それで老人はバラの木のように光り、大きな声で神を讃えました。そのあと、神様は冷やし桶に行き、光っている小さな男を水にどっぷり浸かるようにしてその桶に入れました。男をよく冷やした後、神様は男に祝福を与えました。すると小さな男はパッと跳び出してきました。若々しく背筋が伸び健康で、まるでほんの20歳くらいに見えました。 鍛冶屋は、この有様をよく注
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神様の動物と悪魔の動物
神様は全ての動物を創り、狼を自分の犬に選びましたが、山羊を忘れてしまいました。それで悪魔も準備し創り始め、立派な長い尻尾のある山羊を創りました。さて、山羊が草を食べに行くと、たいてい尻尾が生け垣にひっかかったままになるので、悪魔はでかけていって、とても骨をおって、尻尾をほどかなければなりませんでした。とうとう悪魔は怒って、行ってどの山羊の尻尾も噛み切ってしまいました。それが今日までぶつっとした切り株になってみられるものです。 それから悪魔は山羊だけで草を食べに行かせました。しかし、山羊があるときは実のなる木を噛み、またあるときは立派なブドウを駄目にしたり、他の弱い植物を枯れさせたりしたのを神様が気づくことになりました。神様は、これに心を痛めて、やさしさと情けから狼たちを呼びました。それで狼はすぐにそこに行った山羊をバラバラに引き裂きました。 悪魔はこれを見たとき、神様の前に行き、「あなたの生き物が私の生き物を殺しました。」と言いました。神様は「どうしてお前は害をなすものを創ったのですか。」と答えました。悪魔は「私の考えが悪い方に走るんですから、そうするよりしかたがなかったんです。私が創
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梁の木
あるとき、一人の魔法使いが大勢の人の真ん中で不思議な術をやって見せていました。おんどりを連れてこさせると、そのおんどりは重い梁をもちあげ、羽根のように軽々と運んだのです。ところが四つ葉のクローバーを見つけたばかりでとても賢くなっていたので、このめくらましがきかなかった娘がいました。娘には梁が一本のわらにしか見えませんでした。それで娘は、「みなさん、おんどりが運んでいるのはわらだってわからないの?梁じゃないわ。」と叫びました。途端に魔力が消えうせ、人々に本当のものが見え、魔法使いに恥をかかせて追い払いました。 ところが、魔法使いは、これを根にもって、「じきに仕返しをしてやる。」と言いました。しばらくしてその娘が結婚する日になりました。娘は着飾り、大勢の人の行列を作って畑を越えて教会がある場所へ行きました。突然、娘は水かさがふくれあがった小川にやってきましたが、渡る橋が何もありませんでした。そこで花嫁は服をたくし上げて、歩いて川を渡ろうとしました。こうして水の中に立っていたら、一人の男が娘のすぐそばで嘲って叫びました。「ははは、お前の目はどこにあるんだ?これを川だと思ってるなんてさ。」それ
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乞食のおばあさん
むかし、と言っても今より前、おばあさんが物乞いをして歩くのをきっとみたことがあるでしょう。このおばあさんは同じように物乞いをしていました。そして何かもらうと、「神様があなたに報いてくださいますように」といいました。この物乞いのおばあさんが戸口にくると、愛想の良いいたずらっ子が火のそばに立って体を暖めていました。ドアのそばで震えて立っているので、若者は可哀そうなおばあさんにやさしく言いました。「さあ、ばあさん、暖まりなよ。」おばあさんは入ってきましたが、火のあまり近くに立っていたので、古いぼろ着が燃え始め、おばあさんはそれに気づきませんでした。若者は立ってそれを見ました。が、火を消すべきだったでしょう。火を消すべきだったのは本当じゃないの?それでもし水が無いなら、若者は泣いて体の水を全部目から出すべきだった。そうすれば火をけせる二つのかわいい流れになったでしょう。
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三人の怠け者
ある王様に、三人の息子がいました。王様はみんな同じように可愛がっていて、自分が死んだあと、どの息子にあとを継がせたらよいかわかりませんでした。死ぬ時が近づいてきたとき、王様は三人の息子をベッドのそばに呼び、「わしがずっと考えてきたことをお前たちに話そう。お前たちのうちで最もものぐさな者に国を譲ろうと思うぞ。」と言いました。 すると、一番上の王子が、「父上、国は私のものです。というのは私はとても怠け者なので、休もうと寝転がり、滴が目の中に落ちても、眠るために目を開けませんから。」と言いました。 二番目の王子は、「父上、国は私のものです。なぜなら、私はとても面倒くさがりなので、火のそばで温まって座っているとき、脚を引っこめるよりむしろかかとをやけどさせておきますから。」と言いました。 三番目の王子は、「父上、国は私のものです。というのは私はとてもものぐさなので、首を吊られようと縄がもう掛かっていて、だれかが縄を切るための鋭い小刀を私の手によこしても、縄に手を挙げるより首を吊られた方がましですから。」と言いました。父親がこれを聞いたとき、「お前が一番ものぐさだ。お前を王にする。」と言いました
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牧童
昔、どの問いにも賢く答えるため、広く名をとどろかせていた羊飼いの男の子がいました。国の王様もこのことを聞き及びましたが信じないで、その子を呼びにやりました。それで、王様は羊飼いに、「もしお前がわしの問う3つの質問に答えを出せれば、お前をわが子とみなし、わしの王宮に一緒に住まわせてやろう。」と言いました。羊飼いは、「その3つの質問とは何でございましょう。」と言いました。王様は、「最初の質問は、海にはいくつの滴があるか?」と言いました。羊飼いは「陛下、私が数え終わるまで、一滴も海に流れ込まないように地上の川を全部せきとめてくだされば、海にいくつ滴があるか教えましょう。」と言いました。 王様は言いました。「次の質問は、空にはいくつの星があるか、じゃ。」羊飼いは、「私に一枚の大きな白い紙をください。」と言いました。それからペンでその紙の上にたくさんの細かい点をつけたのでほとんど見えないくらいになりました。ましてや数えるのは不可能でした。その点を見たら誰でも目が見えなくなったでしょう。そうして羊飼いは、「紙の上の点と同じくらい多くの星が空にあります。数えてみてください。」と言いました。しかしだれ
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星の銀貨
昔、父も母も亡くなった小さな女の子がいました。とても貧しかったのでもう住む部屋も、眠るベッドもなくなり、とうとう着ている服と、手に持っている情け深い人がくれた少しのパンだけになりました。それでも、この子は善良で信心深い子でした。世間全般からこのように見捨てられたので、神様を信じて野に出ていきました。すると、貧しい男に出会い、その人が「ああ、何か食べるものをください。とてもおなかがすいてるのです。」というので、パンを全部手渡し、「神様があなたを祝福してくださいますように。」と言って先へ進みました。すると、子供が来て、呻いて、「頭がとても冷たいのです。何か頭をおおうものをください。」と言いました。それで女の子は頭巾を脱いでその子にあげました。さらに少し進むと、上着を着ていなくて寒さで凍えている別の子供に出会いました。それで、女の子は自分の上着をあげました。また少し行くと、ドレスを欲しがる人がいて、女の子はそれもあげました。とうとう森に入り、もう暗くなってしまっていました。そしてまた別の子供がきて、シャツを欲しがりました。それで善良な小さい女の子は心の中で、「暗い夜で、誰にも見えないわ。シャ
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くすねた銅貨
ある日、父親は妻と子供たちと一緒に食事をしていて、訪ねてきていた仲のよい友達も一緒に食べていました。こんな風に座っていて、12時をうっていたとき、お客はドアが開くのが見え、とても顔色が悪く雪のように白い服を着た子供が入ってきました。その子はまわりを見回しもせず、口も言わないで、まっすぐ隣の部屋に入って行き、すぐあとになって、戻って来て、同じ静かな様子で出ていきました。2日目も3日目も全く同じふうに来ました。とうとうお客は父親に、毎日正午に隣の部屋に入っていくあのきれいな子はどこの子かね?と尋ねました。「そんな子見たことがないね。」と父親は言い、誰の子かもわかりようがない、と言いました。 次の日、その子がまた来た時、お客は父親にその子を指差しましたが、父親には見えませんでした、また母親や子供たちみんなにも何もみえませんでした。これにお客は立ちあがって部屋の戸のところに行き、少し開けて中を覗き込みました。すると、こどもが下に座り、床の板の間を忙しそうに掘ってさがしているのが見えました。しかし、お客を見ると、消えてしまいました。それで今度は、お客は見たことを話し、子供の様子を正確に説明しまし
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嫁えらび
昔、とても結婚したがっている若い羊飼いがいました。そして、3人の姉妹と知り合いましたが、3人とも同じくらいきれいなので、選ぶのが難しく、どの子を結婚相手とするのか決められませんでした。それで、母親に相談すると、母親は、「3人をみんな招待して、前にチーズを置いて、食べる様子を見てごらん。」と言いました。若者がその通りにやると、一番目の人は皮をつけたままチーズを飲み込み、2番目の人は急いでチーズから皮を切り取りましたが、とても速く切ったのでその皮にたくさんよいチーズが残ってそれも捨ててしまい、3番目の人は注意深く皮をむき、多すぎも少なすぎもしないで切りました。羊飼いがこれをみんな母親に話すと、母親は3番目の人を嫁さんにしなさい、と言いました。羊飼いはこの通りして、その娘と満足して幸せに暮らしました。
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ぬらぬらの亜麻のかたまり
昔、きれいだが怠け者でだらしない娘がいました。糸を紡がなければならないときはとても短気だったので、亜麻に小さな結び目があると、すぐにひと山まるまる引き抜いてそれをそばの地面にまき散らしました。 さて、この娘によく働く女中がいて、投げ捨てられた亜麻を拾い集め、きれいに洗って、上手に紡ぎ、その糸で自分が着る美しいドレスを作ってもらいました。 若い男が怠け者の娘に求婚し、結婚式が行われることになりました。式の前の晩に働き者の娘は可愛いドレスを着て、楽しそうに踊っていました。それで花嫁は「ま、私の亜麻くずを着て、あの子はなんとまあよく跳ねまわること!」と言いました。花婿はそれを聞き、花嫁にどういう意味か尋ねました。すると花嫁は、あの娘は私が捨てた亜麻から作ったドレスを着ているの、と話しました。花婿はそれを聞くと、花嫁がどんなに怠け者か、また貧しい娘がどんなに働き者かわかり、その花嫁を捨て、もう一人の娘のところへ行き、妻としてその娘を選びました。
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親すずめと四羽の子すずめ
すずめがツバメの巣で四羽の子すずめを育てていました。子すずめたちの羽毛が生えそろったころに、いたずら坊主たちが巣を引っ張り出しましたが、運よく強い風にのって全員無事に飛び立ちました。すると親すずめは、息子たちがみんな世間に出て行ってしまったので、いろいろな危険のことを注意してどう取り組んだらいいか先に教えてやれなかった、と悲しみました。秋にたくさんのすずめたちが小麦畑に集まりました。するとそこで、親すずめはまた四羽の子すずめたちに会えて大喜びし、家へ連れて帰りました。 「ああ、息子たち、わしは夏じゅうお前たちのことを心配しておったよ。いろいろ教えてやるまえに風にのって行ってしまったからね。よく聞いておくれ、お父さんのいうことをきいて、よく身を守るんだよ。小さな鳥はとてもあぶない目に合うからな。」 そうして一番上の息子に、夏はどこで過ごし、どうやって暮らしをたててきたか尋ねました。 「僕はあちこちの庭に行って、毛虫や小さなミミズなど探したんだ。そのうちサクランボが熟して来たよ。」「ああ、息子よ、えさは悪くない。だが大きな危険もあるぞ。だからこれからよく気をつけるんだぞ。特に、中ががらんど
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のらくら国のお話
のらくら者の国の時代に、私は出かけていって、ローマと教皇の宮殿が細い絹糸でぶらさがっているのを見た。それから足のない男が速い馬を追い越したのも、よく切れる刀が橋を切ってしまうのもみたよ。 銀の鼻をした子どものロバが二本足のうさぎを追いかけるのや、とても大きい菩提樹にホットケーキが生えているのを見た。 年とってやせたヤギが100台分の荷車の脂肪と60台分の塩を運ぶのを見た。 十分嘘をつかなかったかい?馬や雌牛がいないのにくわが耕しているのを見た。 一歳の子どもがレーゲンスブルクからトリーアまで石臼を四つ放り投げ、それからトリーアからシュトラスブルクまで投げたのを見たよ。 タカがライン川を泳いで渡っていた。当然の権利だというふうにしてね。魚たちが一緒に大騒ぎをして天国まで音が響いていたのを聞いたよ。甘い蜂蜜が深い谷から高い山のてっぺんへ水のように流れたよ。こういうのは不思議なことでしたね。 二羽のカラスが牧草地を刈っていた。二匹のブヨが橋を建てているのを見た。それから二羽の鳩が狼をずたずたに引き裂き、二人の子どもが二頭の子ヤギを産んだ。二匹の蛙が一緒に麦をから竿でたたいていた。二匹のネズミ
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ディトマルツェンのほらばなし
いい話をしてあげよう。二羽の焼けたにわとりが飛んでいるのを見たよ。速く飛んでいて、胸は天国に向けて背中は地獄に向けてたんだ。金床と石臼が美しくゆっくり静かにライン川を泳いで渡ってたよ。蛙が聖霊降臨節で氷の上に座って鋤の刃を食べていたんだ。ウサギをつかまえたい三人の男が、松葉杖や竹馬ででかけたんだ。一人は耳が聞こえなくて、二人目は目が見えなくて、三人目は口が言えなくて、四人目は歩けなかったんだ。どうやったか知りたいって?まず、目の見えない男はうさぎが野原を走っていくのを見ただろ、口の言えないやつが歩けないやつに叫んだんだ、それで歩けない男がウサギの首をつかまえたのさ。乾いた陸の上を航海したい男たちがいてね、風に帆をかけ、大きな野原を越えて行ったんだ。それから高い山を越えて航海して、そこで不幸にも溺れたよ。カニが全速力で逃げているウサギを追いかけていたよ。高い屋根の上に登っていった牛がいたよ。その国ではハエがここのヤギと同じ大きさだよ。嘘が飛んで出ていくように窓を開けてくれ。
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なぞなぞ話
三人の女が野原に生える花に変身させられました。しかし、そのうちの1人は夜自分の家にいることが許されました。それであるとき、夜明けが近づいて野の仲間のところに戻りもう一度花にならなくてはいけなくなったとき、妻は「もし今日の午後来て私を摘んでくれたら、私は自由になりあなたと一緒にいられるわ。」と夫に言いました。そして夫はそうしました。 さて、問題です。夫はどのようにして妻がわかったのでしょう?というのは3つの花は全く似ていて、違いがないからです。 答―妻は夜の間家にいて野原にいなかったので、他の花には露が降りていたのに妻には降りていませんでした。それで夫は妻がわかったのです。
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