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グリム童話: 子供たちと家庭の童話
グリム童話の一覧 (ページ 7)
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こわいものなしの王子
昔、王様の息子がいました。この王子はもう父親の家にいるのにあきたらず、何もこわいものがないので、「広い世の中へ出て行こう。そこでは退屈することもないだろうし、いろいろ不思議なことも目にするだろう。」と考えました。それで、王子は両親に別れを告げ、でかけていきました。朝から晩までどんどん進み、道がどっちへいこうと王子にとっては同じことでした。あるとき王子は巨人の家に着き、とても疲れていたので、戸口のそばに座り休みました。あちこち見まわしてみると、庭にある遊び道具が目に入りました。これらは二、三の巨大なボールと人間と同じくらい大きい9本のピンでした。しばらくしてやってみたくなり、ピンを立て、ボールをピンに転がし、9本が倒れると大声を出して叫び、はしゃいでいました。 巨人が物音を聞きつけ、窓から頭を伸ばすと、ふつうの人より大きくも無い背丈なのに自分のボーリングで遊んでいる男が見えました。「虫けらめ」と巨人は叫びました。「なんでおれのボールで遊んでいるんだ?誰がお前にそういう力を与えたんだ?」王様の息子は見上げると巨人が見え、「ああ、頭悪いね、お前は自分だけ腕っぷしが強いと思ってるんだ。僕はやり
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キャベツろば
昔、若い猟師がいて、獲物を待ち伏せするため森へ入って行きました。猟師は元気よく明るい性格で、草笛を吹きながら、そこへ向かっていました。すると、醜く年とった老婆が近づいて来て、猟師に「こんにちは、猟師さん、あなたは実に陽気で満足そうだね。だけど私はお腹がすいて喉が渇いているんだよ。お願いだから、施しをしておくれ。」と言いました。猟師は貧しい年寄りに同情して、ポケットの中をさぐり、やれるだけのお金をあげました。 それから猟師は先へ進もうとしましたが、老婆がひきとめ、「猟師さん、私が言うことをお聞き。あんたのやさしい心のお返しに贈り物をするよ。今はずっと道を進みなさいよ。だけど少しすると一本の木につくからね。その木に9羽の鳥がとまって、かぎづめで一枚のマントを持ってそのマントをうばいあいしているんだ。鉄砲をとって鳥たちの真ん中を撃ちな。するとあんたにマントを落としてよこすけど、鳥たちの一羽が怪我して、死んで落ちるよ。マントを持って行きな。そのマントは魔法のマントだよ。肩にはおると、どこかの場所に行きたいと願いさえすれば、瞬きするうちにそこに行けるよ。死んだ鳥の心臓をとりだして、丸呑みしな。す
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森のなかのばあさん
昔、可哀そうな女中が、働いているところの家族と大きな森を通って旅をしていました。それで森の真ん中にいたとき、強盗がやぶから出てきて、見つけた人々をみんな殺してしまいました。恐ろしくて馬車から飛び降り、木の陰に隠れたこの娘以外はみんな死んでしまいました。強盗たちが盗んだ品を持って行ってしまったあと、娘は出てきて、ひどい惨状を見ました。それで娘は激しく泣いて、「私のような貧しい娘はどうしたらいいの?どうやって森から出たらいいか知らないし、人間は誰も住んでいないわ。だから私はきっと飢えて死んでしまうわ。」と言いました。 娘は歩き回って道を捜しましたが、何も見つけられませんでした。夜になると、木の下に座り、身を神様にお任せして、そこに座って待ち、何が起こっても立ち去らないことにしました。しばらくそこに座っていると、くちばしに小さな金の鍵をくわえた白い鳩が飛んできました。鳩は娘の手に小さな鍵を置いて、「あそこの大きな木が見えますか?その中に小さな錠前があります。この小さな鍵で開けると、食べ物がたくさんありますよ。それでもうお腹がすくことはなくなります。」と言いました。 それで娘はその木に行き開け
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三人兄弟
昔、息子が三人いて、自分の住んでいる家の他に何もない男がいました。息子たちはそれぞれ父親が亡くなったあと、この家を継ぎたいと思っていました。しかし、父親は息子たちがみんな同じように可愛いかったので、どうしたらよいかわかりませんでした。また、家は先祖から受け継いだので、売りたくありませんでした。そうでなければ売ったお金を息子たちで分ければよかったのです。とうとうある計画を思いつき、息子たちに言いました。「世の中に出て行って、自分を試し、仕事を覚えなさい。そしてお前たちみんなが戻ってきて、一番名人になった者にこの家をやろう。」 息子たちはこれに十分満足しました。それで、長男は鍛冶屋に、二男は床屋に、三男は剣術名人になろうと思いました。三人は、また家に戻る時を決め、めいめい自分の道を進みました。 たまたま三人とも腕の立つ親方を見つけ、技をよく教えてもらいました。鍛冶屋は王様の馬に蹄鉄を打つまでになり、「家はおれのものだ、間違いない。」と思いました。床屋は名士の顔だけ剃るようになり、この人もまた、もう家を自分のものとみなしていました。剣術名人は、たくさん痛い目にあいましたが、歯を食いしばってが
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悪魔とそのおばあさん
大きな戦があり、王様にはたくさんの兵士がいましたが、給料を少ししかあげなかったので、兵士たちは暮らしていけませんでした。それで三人の兵士が内緒で逃げることに決めました。一人の兵士があとの二人に、「つかまれば首つり台につるされるぞ。どうやってやるんだ?」と言いました。もう一人が、「あの大きな麦畑を見ろよ。あそきに隠れたら、誰も見つけられないさ。軍隊はそこに入ってはいけないんだし、明日出ていくんだからね。」と言いました。三人はうまく麦の間に這っていきましたが、ただ軍隊は出発しないで、そのまわりにい続けました。三人は二日二晩麦の中にとどまって、とてもお腹がすき、死ぬばかりになりました。しかし、もし出ていけば、死ななくてはいけないのが確かでした。それで三人は、「ここで惨めに死ななければならないなら、逃げて何の役に立つんだ?」と言いました。 しかし、火のような竜が空を飛んできて、三人のところに下り、どうしてそこに隠れているのかと尋ねました。三人は、「おれたちは、給料がひどすぎるから逃げてきた三人の兵士なんだ。それで今、ここにいれば飢え死にしなくてはならないだろうし、出て行けば首つり台にぶらさがら
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誠実なフェレナントと不誠実なフェレナント
昔、裕福だったときには子供がいなくて貧しい時に男の子ができた亭主とおかみさんがいました。二人は子供の名付け親を見つけられなかったので、父親が、名付け親が見つかるか他の村へ行ってみよう、と言いました。途中で貧しい男に会い、その男がどこへいくのかね?と言いました。父親は、名付け親を見つけにいくところさ、なにしろ貧乏なものだから誰も名付け親になってくれなくてね、と言いました。「そうか」と貧しい男は言いました。「あんたが貧乏で、おれも貧乏だ。おれが名付け親になろう。暮らし向きが悪いから、子供に何もやれないがね。家へ帰って産婆さんに子供と一緒に教会へくるように言っとくれ。」みんなが教会に着くと、その乞食はもうそこにいて、子供に「実意ありフェレナンド」と名前をつけました。 教会からでるときに乞食は「さあ、家へお帰り、お前に何もあげられないよ。だからお前も何もくれなくていいよ。」と言いました。しかし、乞食は産婆さんに鍵を渡し、家へ着いたらこの鍵を父親にやってくれ、子供が14歳になるまで大事にしまっておくようにと言ってな、そのときに子供が荒れ野に行くとその鍵が合う城がある、その城の中のものは子供の物だ
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鉄のストーブ
願い事がまだ人の役に立っていた頃に、王様の息子が年とった魔女に魔法をかけられ、森の鉄のストーブに閉じ込められました。誰も王子を救うことができないままそこで王子は何年も過ごしました。すると王様の娘が森に入り、道に迷い、父親の国に帰ることができませんでした。娘は9日間あちこちさ迷い、しまいには鉄のストーブのところにやってきました。 するとストーブから声が出て、「あなたはどこから来たんですか?どこへ行くんですか」と娘に尋ねました。娘は「父の国がわからなくなって、家に帰れないのです。」と答えました。すると鉄のストーブの中の声が言いました。「家へ帰るお手伝いをしましょう。しかも本当に速く。もしあなたが私の望むことをしてくれると約束すればね。私はあなたの父親よりはるかに大きな国の王様の息子なのです。そしてあなたと結婚するつもりです。」 それで王女はこわくなり、「まあ、鉄のストーブなんてどうしたらいいの?」と思いましたが、父親のところへとても帰りたかったので、望み通りにすると約束しました。しかし、王子は言いました。「ここに戻り、ナイフを持って来てください。それで鉄を削って穴を空けてください」それから
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なまけ者の糸つむぎ女
昔ある村に亭主とおかみさんが住んでいました。おかみさんはとても怠け者で何につけても働く気がありませんでした。亭主が紡ぐために何を渡しても終わらせることはなく、実際に紡いでも紡いだものを巻かないで、からまって山にしてほうっておくのでした。亭主が小言を言うと、おかみさんはいつもすぐ言い返しました。「だって、どうやって巻くの?巻き枠がないのにさ?森へ行って枠を作ってよ。」「そういうことなら」と亭主は言いました。「森へ行って巻き枠をつくる木をとってくるよ。」するとおかみさんは(亭主が木を持ってきて巻き枠を作れば、自分は糸を巻かなくてはならないし、それからまた糸を紡がなくてはならない)と心配になりました。おかみさんはちょっと考えていましたが、うまい考えが浮かびました。それでこっそりと亭主のあとをつけて森へ行きました。亭主が木を選んで切ろうと木に登ったとき、おかみさんは、亭主に見えない下のしげみにはいり、叫びました。 亭主は耳をすまし、少しの間斧をおろし、一体どういう意味だろうかと考え始めました。しばらくしてとうとう「いったい何だっていうんだ?耳鳴りがしていたにちがいない。何でもないのにこわがった
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腕利き四人兄弟
昔、四人の息子がいる貧しい男がいました。息子たちが大人になると、男は兄弟に、「子供たちよ、お前たちはもう世の中に出ていかなくてはいけないな。というのもおれはお前たちにやるものが何もないんだ。だから、出発して、よそへ行き、手仕事を身につけ、自分の道を進めるかやってみろよ。」と言いました。それで四人の兄弟は杖を持ち、父親に別れを告げ、一緒に町の門を通って出ていきました。しばらく歩いた後で、4つの違った方向に分かれている交差路に来ました。すると、長男が、「ここでわれわれは別れなくてはならない。だが4年後の今日、またここで会うことにしよう。その間に運を試すんだ。」と言いました。 それから、それぞれが自分の道を進み、長男は一人の男に会いました。男は、どこに行くのか、何をするつもりか、と尋ねました。「仕事を身につけたいのです。」と長男は答えました。すると男は、「おれと一緒に来て、泥棒になれよ。」と言いました。「いや、それはりっぱな仕事とは見られないですよ。しまいには、首つり台で揺れなくてはなりません。」と長男は答えました。「なんだ、首つり台を怖がらなくていいさ。おれは、ほかの人がだれも手にできなく
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一つ目、二つ目、三つ目
昔、三人の娘がいる女がいました。一番上の娘は、額にたった一つの目があったので、一つ目という名で、二番目の娘は、他の人たちのように二つの目があったので、二つ目という名で、一番下の娘は、目が三つあったので、三つ目という名でした。三つ目の三番目の目も額の真中にありました。ところが二つ目は他の人間たちと全く同じに見たので、姉妹と母親は二つ目が我慢できなくて、「お前は目玉が二つで、普通の人たちと同じだよ。お前は私たちの仲間じゃないよ。」と二つ目に言いました。みんなは二つ目を押しのけたり、古い服を投げつけ、残り物しか食べるものをあげず、二つ目を惨めにするためにできる何でもやりました。 二つ目は野原へでかけてヤギの世話をしなければなりませんでしたが、姉妹がほんの少ししか食べ物をくれなかったので、まだかなりお腹がすいていました。それであぜに座り、泣きだしました。とてもひどく泣いたので目から二つの川が流れました。そしてあるとき悲しみながら目をあげると、女の人が自分のそばに立っていて、言いました。「どうして泣いているんだね?二つ目」「泣かないでいられないの。他の人たちみたいに二つ目なので私の姉妹と母は私が
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美人のカトリネルエとピフ・パフ・ポルトリー
「こんにちは、ホレンテ父さん。」「どうもありがとう、ピフパフポルトリー。」「あなたの娘さんをもらいたいんだけど許してくれますか?」「ああ、いいとも。もしマルコ・ミルチカウ(乳搾り)母さんと、ハイアンドマイティ(高く力強い)兄さんと、ケーゼトラウト姉さんと、きれいなカトリネルエが乗り気なら、嫁にもらっていいよ。」「じゃあ、マルコ母さんはどこ?」「牛小屋だよ。乳搾りをしている。」 「こんにちは、マルコ母さん。」「どうもありがとう、ピフパフポルトリー。」「あなたの娘さんをもらいたいんだけど許してくれますか?」「ああ、いいよ。もしホレンテ父さんと、ハイアンドマイティ兄さんと、ケーゼトラウト姉さんと、きれいなカトリネルエが乗り気なら、嫁にもらっていいよ。」「じゃあ、ハイアンドマイティ兄さんはどこ?」「部屋でたき木を割っているよ。」 「こんにちは、ハイアンドマイティ兄さん。」「どうもありがとう、ピフパフポルトリー。」「あなたの娘さんをもらいたいんだけど許してくれますか?」「ああ、いいよ。もしホレンテ父さんと、マルコ母さんと、ケーゼトラウト姉さんと、きれいなカトリネルエが乗り気なら、嫁にもらっていい
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狐と馬
農夫に、年をとってもう働けなくなった忠実な馬がありました。それで主人は馬にもう食べ物をあげる気がしないで、「確かにもうお前を使えなくなったんだが、お前に悪いようにしたくないんだ。もしお前がここにライオンを連れてくるくらい強いと証明してみせてくれれば、お前を置いておくよ。だけど、今はうちの馬小屋から出て行ってくれ。」と言いました。そしてそう言いながら、野外へ追い出しました。 馬は悲しくて天候から少し身を守ろうとして森へ行きました。すると狐が馬に会って、「どうしてそんなに頭を下げて全く一人でいるんだい?」と言いました。「ああ、欲張りと真心は一つの家に一緒に住めない。主人は私が長年仕えてきたことを忘れてしまい、もう上手に耕せないもんだから、もう食べ物をくれる気がなくて私を追い出したんだ。」と馬は答えました。「チャンスもくれなかったのか?」と狐は尋ねました。「チャンスはひどいものさ。もし主人のところにライオンを連れていけるほど強ければ私をおいてくれるんだ。だけどそんなことはできないって主人はよく知ってるのさ。」と馬は言いました。「助けてやるよ。寝転がって死んだみたいに長く伸びてて。そして動かな
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踊ってすりきれた靴
昔、どの娘も他の娘におとらないくらい美しい12人の娘がいる王様がいました。娘たちはみなベッドが並んでいる一つの部屋で一緒に眠っていました。そして娘たちがベッドに入ると王様は戸に鍵をかけかんぬきをしました。しかし、朝に戸の鍵をはずすと、王様は娘たちの靴が踊りですりきれているのがわかり、だれもどうしてそうなるのか発見できませんでした。それで、王様は、娘たちが夜どこで踊っているのか発見した者には娘の一人を妻に選ばせ、自分の死後王にする、但し、申し出て3日3晩のうちに発見できなかったものは命を差し出さねばならない、というお触れを出しました。 まもなく一人の王子が出て、この企てを引き受けると申し出ました。王子は暖かく迎えられ、夜には王女たちの寝室の隣の部屋に案内されました。王子のベッドはそこにおかれ、娘たちがどこへ行っておどるのか見ることになっていました。そしてこっそりと何かしたり他の場所に行かないように娘たちの部屋の戸は開けておかれました。しかし、王子のまぶたは鉛のように重くなり、眠ってしまいました。そして朝目覚めてみると、12人の娘はみな踊りに行ってきていました。というのは靴の底に穴があいて
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134
六人の家来
昔、魔法使いの年とった女王が住んでいました。女王の娘は日のもとで最も美しい乙女でした。ところがばあさんは人間をおびき出して破滅させようとしか考えていなくて、求婚者が現れると、娘を妻にしたければまず務めを果たすか、できなければ死ぬしかないよ、と言いました。たくさんの男が娘の美しさに目がくらみ、実際にこれに命をかけました。しかし、ばあさんが命じたことを成し遂げることができなくて、情け容赦なく、膝まずかせられ、首が切り落とされました。 ある王様の息子もまたその美しい乙女のことを聞き及び、父親に「そこに行かせてください。結婚の申し込みをしたいのです。」と言いました。「だめだ」と王様は答えました。「それは死にに行くことだぞ。」これをきいて息子は臥せって死ぬほど重い病になり、七年間ねていましたが治せる医者がいませんでした。父親はもう治せる望みがないとわかると、気が重いながら息子に言いました。「そこへ行って運を試すがよい。わしはお前を治す方法が他にわからないからな。」息子はそれを聞くと、ベッドから起きあがりまた元気になって、喜んで出かけて行きました。 荒れ野を馬で進んでいると大きな干草の山のようなも
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白い花嫁と黒い花嫁
女が飼い葉を刈りながら実の娘と継娘と一緒に野原を歩いていました。そのとき神様が貧しい男の姿で三人の方に来て、「村に行く道はどっちかね?」と尋ねました。「知りたいなら自分で探すんだね」と母親は言いました。娘が付け加えて「見つからないと心配なら、案内人を連れて歩くことね」と言いました。しかし、継娘は「かわいそうに、そこにお連れしましょう、一緒にどうぞ。」と言いました。 それで神様は母親と娘に怒って二人に背を向け、二人が夜と同じくらい黒く、罪と同じくらい醜くなるように望みました。しかし可哀そうな継娘には神様は慈愛の目を向け、継娘と一緒に行きました。村に近づくと娘を祝福して、「3つ願いを選んでごらん。叶えてあげよう。」と言いました。それで乙女が「太陽のように美しく白くなりたいわ。」と言うと、すぐに乙女は昼のように白くきれいになりました。「それから決して空っぽにならないお財布が欲しいわ。」それも神様は娘に与えましたが、「一番よいものを忘れないように」と言いました。乙女は「3番目の願いとして、死んだあと、天国に住みたいと願うわ。」と言いました。それも神様は認めて、娘に別れていきました。 継母が実の
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鉄のハンス
昔、一人の王様がいました。王様は、宮殿の近くには大きな森をもっていて、あらゆる種類の動物がいっぱいいました。ある日王様はノロジカを撃たせるため一人の猟師を送り出しましたが、猟師は戻ってきませんでした。「たぶん何か事故が起こったんだろう」と王様は言い、次の日、その猟師を探しにさらに二人の猟師を送り出しましたが、その二人も帰ってきませんでした。それで3日目には王様は猟師全員に、「森をくまなく探せ、3人全員を見つけるまであきらめるな。」と言って送り出しました。しかし、これらの猟師たちの誰もまた帰って来ませんでした。また一緒に連れて行った犬の群れも一匹も見られませんでした。そのときから、もう誰も森へ入ろうとはせず、森は暗く静かでひっそりしており、何も見られず、ただ時々ワシやタカがその上を飛んでいるだけでした。 こういう状態が何年も続いたあるとき、見知らぬ猟師が職を求めて王様に取り次ぎを願い、危険な森へ入ろうと申し出ました。ところが王様は承知しないで、「あそこは安全でないのだ。お前も他の者たちと同じ目にあうのではないか。二度と出てこれなくなるだろう。」と言いました。猟師は、「陛下、危険は承知の上
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三人の黒いお姫さま
東インドが敵に包囲され、敵は600ドル受け取るまで囲みを解こうとしませんでした。それで町の人々は、そのお金を調達できるだれでも市長にする、と太鼓を打ってお触れを出しました。さて息子と海で漁をしていた貧しい猟師がいましたが、敵がきて、息子をとりこにし、代わりに父親に600ドルくれました。それで父親は行って町のお偉方にお金を渡し、敵は出ていき、猟師は市長になりました。すると、「市長様」と言わない人はだれでも縛り首の死刑にする、というお触れが出されました。 息子は敵から逃げて、高い山の大きな森に来ました。山が開いて、息子は大きな魔法の城に入りました。そこでは椅子、テーブル、ベンチがみんな黒い布をかけられていました。するとすっかり黒ずくめで顔だけが少し白い3人の若い王女がやってきました。王女たちは息子に、怖がらなくていいのよ、あなたを傷つけたりしないわ、あなたは私たちを救うことができるの、と言いました。息子は、どうしたらよいかわかりさえしたら、喜んでそうしますよ、と言いました。すると王女たちは、まる一年自分たちに話してはいけないし、見てもいけない、欲しいものはただそう言えばよい、もし自分たちが
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138
クノイストと三人の息子
ヴェレルとゾイストの間にクノイストという名の男が住んでいて、息子が三人いました。1人は目が見えなくて、もう1人は足が不自由で、三人目は素っ裸でした。あるとき、三人は野原に行き、ウサギを見ました。目の見えないのが撃って、足の不自由なのが捕まえて、裸の男がポケットに入れました。それから、とても大きな湖に行きました。その湖には3艘の船があり、1艘は進み、もう1艘は沈み、3艘目は底がありませんでした。3人とも底がない船に乗りました。その後、とても大きい木があるとても大きい森に来ました。その木の中にとても大きい礼拝堂があり、その礼拝堂にブナの木でできた寺男とツゲの牧師がいて、牧師はこん棒で聖水をかけていました。本当にどんなに幸せでしょう、聖水から逃れられる人は。
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139
ブラーケルの小娘
昔、ブラーケルの娘がヒンネンベルクのふもとにある聖アンネ礼拝堂に行きました。夫をもちたいと思っていて、礼拝堂には他に誰もいないと思ったので、娘は歌いました。 「ああ、聖なるアンネ様! すぐに夫をもてるようお手伝いください。あなたはその人をよくご存知です。ズットマー門のそばに住んでいて、髪は金髪、あなたはその人をよくご存知です。」 しかし、牧師が祭壇のかげに立っていて、これを聞きました。それで牧師はとてもしわがれた声で「お前はその人を夫にできない、お前はその人を夫にできない!」と叫びました。娘は、聖母アンネのそばに立っている子供のマリアがそう叫んだと思い、怒って、「ふん、ばーか!いい気なやつ、お黙り、お前のお母さんに話させなさい!」と叫びました。
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140
召使たち
「あんた、どこへ行くの?」 「ワルペへ」 「私はワルペへ、あんたはワルペへ、では、では、一緒に行きましょう。」 「亭主はいるのかい?なんて名前?」 「チャム」 「私の亭主はチャム、あんたの亭主はチャム、私はワルペへ、あんたはワルペへ、では、では、一緒に行きましょう。」 「子どもはいるのかい?なんて名前?」 「ワイルド(荒々しい)」 「私の子はワイルド、あんたの子はワイルド、私の亭主はチャム、あんたの亭主はチャム、私はワルペへ、あんたはワルペへ、では、では、一緒に行きましょう。」 「ゆりかごはあるのかい?ゆりかごをなんて呼んでる?」 「ヒッポダドル」 「私のゆりかごはヒッポダドル、私の子どもはワイルド、あんたの子はワイルド、私の亭主はチャム、あんたの亭主はチャム、私はワルペへ、あんたはワルペへ、では、では、一緒に行きましょう。」 「下男もいるのかい?あんたの下男の名前は?」 「仕事漬け」 「私の下男は仕事漬け、私の子どもはワイルド、あんたの子はワイルド、私の亭主はチャム、あんたの亭主はチャム、私はワルペへ、あんたはワルペへ、では、では、一緒に行きましょう。」
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