グリム童話: 子供たちと家庭の童話

グリム童話の一覧 (ページ 10)

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池にすむ水の妖精

池にすむ水の妖精昔、妻と一緒に満足して暮らしていた粉屋がいました。二人にはお金と土地があり、財産は年毎にだんだん増えていきました。しかし、不運は夜の泥棒のようにやってくるものです。財産が増えたように、また年毎に減って行き、とうとう住んでいる水車小屋を自分のものだと言えないくらいになりました。粉屋はとても悩んで、仕事を終えて横になっても不安でたまらず、ベッドの上で寝返りをうつばかりでした。 ある朝、粉屋は、夜明け前に起きて、心が軽くなるかもしれないと思い、外に出ていきました。水車ダムの土手を歩いている時、夜明けの最初の光がさしてきました。そして池の中からパシャという音が聞こえてきて振り返ってみると、美しい女がゆっくり水から上がってくるのが見えました。女が柔らかい手で肩からはずした長い髪が、両脇に落ち、白い体をおおいました。粉屋はすぐに、これは池の水の精だとわかり、恐ろしくて、逃げたらいいのか、そこにいた方がいいのかわかりませんでした。しかし、水の精は、甘い声で粉屋の名前を呼び、どうしてそんなに悲しいのかと尋ねました。粉屋は最初口が利けませんでしたが、水の精がとても優しく話すのをきいて、勇気をだし、前は財メルヘン 読む →
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小人の使い

小人の使い仕立て屋と金細工師が一緒に旅をしていました。ある晩、太陽が山のかげに沈んでしまったとき、二人に遠くの音楽の音が聞こえてきて、だんだん音がはっきりしてきました。聞きなれない響きでしたが、とても楽しそうで、二人は疲れをすっかり忘れ、急いで先へ進みました。月がもう昇ってしまったころ、二人はある丘に着きました。その丘で、大勢の小人の男女がお互いの手をとって、とても楽しそうに喜んで踊り回っているのが見えました。小人たちは踊りに合わせてとてもすてきに歌っていて、二人の旅人が聞いた音楽はそれでした。小人たちの真ん中に他の人たちより背の高いおじいさんが座っていました。おじいさんはまだらの上着を着て、白いあごひげが胸の上までたれていました。二人は驚きのあまり立ったまま踊りを見ていました。おじいさんが二人に入るように合図をして、小人たちがすすんで輪を開けてくれました。金細工師は、こぶがあり、背中にこぶのある人が向う見ずなように、入っていきました。仕立て屋は初め少しこわくてひっこんでいましたが、みんなとても楽しそうなのを見ると、勇気を奮い起してあとをついていきました。輪はまたすぐ閉じ、小人たちは激しく跳びあメルヘン 読む →
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大男と仕立屋

大男と仕立屋口では大きいことを言うくせにやることはけちくさいある仕立て屋がいました。この仕立て屋がしばらくよそへ行って世間をみてみようと思い立ちました。できるだけ早く仕事を切り上げ仕事場をでて、山や谷を越え、あちこちさまよい歩いてどんどん進みました。あるとき、道中で、遠くの青い空の中に険しい山があり、その後ろに荒れた暗い森から高く上がり、雲に届いている塔が見えました。 「ぶったまげた!」と仕立て屋は叫びました。「ありゃ何だ?」仕立て屋はどうしても知りたくなったので、その塔をめざしてずんずん進んでいきました。しかし、その近くに来てみると、口あんぐりで目を丸くして驚きました。というのは塔には脚があって一っ跳びで険しい山を跳び越えたかと思うと、目の前になんともすごい大男が立っていたからです。「チビすけのハエの脚!ここに何の用だ? 」と大男は四方八方に雷がとどろくような声で叫びました。仕立て屋はしょぼしょぼと言いました。「この森でパンを少し稼げないかと..見て回っているんです」「そういうことなら」と大男は言いました。「おれのところに働き口があるぞ。」「それが本当なら、いいですとも。お給金はどれくらいで?」メルヘン 読む →
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釘商人は市で商売がうまくいって、品物を売ってしまい、金袋を金銀でいっぱいにしました。それで、帰宅の旅をし、夜まえに家に着きたいと思いました。それで、お金の入ったトランクを馬に積み、出発しました。 昼にある町で休んで、また行こうとしたところ、馬番が馬を連れて来て「だんな、後ろ足の蹄鉄の釘が一本無いですよ。」と言いました。「無くても放っておいてくれ。これから行かなきゃならないのは6マイルだから、蹄鉄はきっとくっついているよ。急いでいるんだ。」と商人は答えました。 午後にもう一度馬を降りて、馬にえさをやったとき、馬番が部屋の商人のところに来て、「だんな、馬の後ろ足の蹄鉄がありませんよ。かじ屋に連れて行きましょうか?」と言いました。「無くてもほっといてくれ。残り2,3マイルだから馬は十分もつだろう。おれは急いでるもんでね。」と男は答えました。 それからまた馬に乗って進みましたが、まもなく馬は足を引きずり始めました。そして長くひきずらないうちによろめき始め、長くよろめかないうちに倒れて脚が折れました。商人は馬をその場に置いて行くしかなくなり、トランクをはずし、自分の背に担いで、歩いていきました。そメルヘン 読む →
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墓へはいった哀れな小僧

墓へはいった哀れな小僧昔、かわいそうな羊飼いの男の子がいました。父親も母親も亡くなってしまったので、お役所が、食べ物を与え育てるようにとこの子を金持ちの家に預けました。ところが、この男もおかみさんも心の悪い人で、欲が深く自分たちの金を守るのにきゅうきゅうとして、ひとが自分たちのパンを一口でも食べることを嫌がりました。可哀そうなこの子は男の気に入ることは何でもやりましたが、食べ物はほとんどもらえず、ただうんとなぐられるだけでした。 ある日、男の子はめんどりとひよこの番をさせられました。しかし、めんどりがひよこたちと一緒に生け垣の間から外へ出てしまい、タカがすぐに舞い降りてめんどりを空にさらってしまいました。男の子は「泥棒、泥棒、悪党」とありったけの声を出して叫びましたが、何の役にも立ちませんでした。タカは獲物を戻したりしませんでした。男が物音を聞きつけ、その場へ走ってきました。めんどりがいなくなったとわかるとすぐに、かんかんに怒って男の子をこっぴどくなぐり、男の子は二日間動けませんでした。それからはめんどりのいないひよこたちの面倒をみなければなりませんでした。しかし、今度はよけい難しくなりました。というのはひメルヘン 読む →
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本当の花嫁

本当の花嫁昔、娘がいました。若くて美しかったのですが、とても小さい時に母親が亡くなり、継母がひどくいじめるので娘の暮らしは惨めなものでした。継母が何かやるように言いつけるときはいつも、娘は根気よく取り組んで何でもできる限りのことをしました。それでも娘は意地悪な継母の心をつかむことはできませんでした。継母は決して満足しないし、これでいいということは絶対ありませんでした。娘が一生懸命働けば働くほど、さらに多くの仕事が言いつけられ、継母はこの娘に、いかにもっと重荷を背負わせて、いかにもっと暮らしを惨めにさせるかを考えるだけでした。 ある日、継母は、「ここに12ポンドの羽根があるから、羽柄からつみ取るんだよ。今日の日暮れまでに終わって無かったら、たっぷりぶってやるからね。一日中ぶらぶらできると思ってるのかい?」と言いました。可哀そうに娘は座って仕事にとりかかりましたが、涙が頬を流れ落ちました。というのは一日でその仕事を終えるのは全く無理だとはっきりみてとれたからです。前に小さな羽根の山をおいて、悲しみのあまりため息をついたり手を打ちあわせたりするといつも、羽根は飛び散ってしまい、また拾い集めて仕事を新たメルヘン 読む →
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兎とはりねずみ

兎とはりねずみこの話は、ねえ、子供たち、どうも嘘みたいに思えるけど、本当の話なんだよ。だって、おじいさんからこの話を聞いたんだけど、おじいさんはこの話をしてくれるときいつも「息子や、それはきっと本当だよ、そうでないなら誰もお前に話せなかっただろうからね」と言ってたんだ。 話はこんなふうなんだよ。とり入れ時の日曜の朝、ちょうどそばの花が咲く時、太陽は空に明るく照って、東の風が切り株の上を暖かく吹いていました。ヒバリが空でさえずり、蜂はそばの間を飛びまわり、晴れ着を着た人たちがみんな教会へ行って、生きとし生けるものはみんな幸せでした。はりねずみも幸せでした。ところではりねずみは両手を腰にあてて戸口にたち、朝のそよ風を受けながら、ゆっくりと歌を口ずさんでいました。それは一般のはりねずみが日曜の朝いつも歌う歌より上手でも下手でもありませんでしたがね。 こうして半分声に出して歌っていたらふいに、かみさんが子供たちの体を洗ったり拭いたりしている間に畑へ歩いて行き、かぶがどんな様子かみてみようかな、と思いました。実はかぶは家のそばにあり、はりねずみ家族がそれをいつも食べていたので、自分のものだとみなしていました。メルヘン 読む →
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つむとひとぬいばり

つむとひとぬいばり昔、まだ小さい子供のころに父親も母親も亡くなった女の子がいました。この子の名付け親が、村のはずれの小さな家にただ一人で住んでいて、糸を紡ぎ、布を織り、服を縫って暮らしをたてていました。そのおばあさんがよるべのないこの子をひきとって、仕事を覚えさせ、あらゆるためになることを教えました。娘が15歳の時、おばあさんが病気になり、子供をベッドのわきに呼んで「娘よ、私はもうすぐ死ぬと思う。お前に小さな家を残していくよ、雨風からお前を守ってくれるからね。それとパンを稼げるように紡錘と杼と針を残していくからね。」と言いました。それから娘の頭に手をのせて娘を祝福すると、「心に神様の愛を持ち続けているんだよ、そうすれば何もかもうまくいくからね。」と言いました。そう言っておばあさんは目を閉じました。おばあさんが土に葬られた時、娘は激しく泣きながら棺のあとについていって弔いました。 そうして、乙女は小さな家にたった一人で住み、よく働き、糸を紡ぎ、布を織り、縫物をしました。やさしいおばあさんの祝福が娘のする何にでもありました。部屋の亜麻はひとりでに増えるように思われ、娘が布や絨毯を織るとかシャツを作ったときはメルヘン 読む →
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百姓と悪魔

百姓と悪魔昔、先見の明があり抜け目のないお百姓がいました。その人のいたずらはたくさん人の話になっていますが、一番の話しは、悪魔を手玉にとりばかにした話です。お百姓はある日畑で働いていました。夕闇が広がりだし、家へ帰る支度をしていると、畑の真ん中に燃えている炭の山が見えました。びっくりして、それに近づいていくと、小さな黒い悪魔が燃えている炭の上に座っていました。「あんたは宝の上に座っているのか?」とお百姓は言いました。「そうだよ。実は」と悪魔は答えました。「お前が生まれてこのかた見たこともないほどたくさんの金銀のある宝物の上さ。」「その宝物はわしの畑にあるんだから、わしのものだ。」とお百姓は言いました。「お前のものにしていいよ。」と悪魔は答えました。「もしお前が二年間お前の畑でできるものの何でも半分おれにくれるなら。おれには金はたくさんある。だが、おれは土の実りが欲しいのさ。」お百姓はその取引を承知しました。「だけど、分け方にケンカが起きないように、地面の上にあるものは全部あんたのもので、土の下のはおいらのものにしよう。」とお百姓は言いました。悪魔はこの取り決めに全く満足でした。しかし、ずる賢いおメルヘン 読む →
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あめふらし

あめふらし昔、王女がいました。この王女にはお城の胸壁のすぐ下に12の窓がある部屋が一つあり、あらゆる方角を見わたせました。王女はそこに上り、周りを見まわすと国じゅうを視ることができました。第一の窓から見ると他の人間より視力が増し、第二の窓からはもっとよく見え、第三の窓からはもっとはっきり見え、と12番目の窓までそんな風に続きました。それで12番目の窓からは地の上でも下でも何でも見え、王女に見通せないものはなにもありませんでした。 さらに王女は傲慢で誰にも従わずに自分だけで国を治めていきたいと思っていました。王女は、自分からうまく隠れることができ、自分が見つけることが出来ない人でなければ誰も自分の夫としない、ただし、これに挑戦し王女に発見された場合その人は首を切られさらし首にされる、というお触れを出させました。死人の頭ののった97本の棒がもうお城の前に立っていて、長い間誰も申し出てきていませんでした。 王女は喜んで、(これで生きてる間自由でいられるわ)と心密かに思いました。すると三人の兄弟が前に現れ、運を試したい、と王女に申し出ました。一番上の兄は石灰を掘る坑に入り込めば無事だろうと信じていましたメルヘン 読む →
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どろぼうの名人

どろぼうの名人ある日、年とった男とおかみさんが仕事の手をしばらく休めて、みすぼらしい家の前で座っていました。突然、黒馬の四頭立ての豪華な馬車が乗りつけてきて、立派な身なりの男が馬車から降りました。お百姓は立ち上がり、紳士の方へ行くと、どんな御用ですか、何をしたらよろしいでしょうか、と尋ねました。見知らぬ紳士は老人に手をさし出して、言いました。「ただ一度田舎料理を食べてみたいだけですよ。あなた方がいつもしているようにじゃがいもを料理してください。そうしたら食卓に座り喜んで食べますので。」 お百姓は笑顔で言いました。「あなたは伯爵さまか侯爵さまか、それとも公爵さまでしょうかね。高貴な殿方はよくそんなことをしたがりますね。でもお望み通りにしてさしあげましょう。」おかみさんはそれから台所へ行ってジャガイモを洗ってこすり始め、田舎の人たちが食べているように団子にし始めました。 おかみさんがせっせとこの仕事をしている間に、お百姓は見知らぬ人に、「しばらく一緒に庭にいらしてください。まだそこでやることがありますので。」と言いました。お百姓は庭にいくつか穴を掘ってあり、今度はそこに木を植えようとしていました。 「子メルヘン 読む →
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太鼓たたき

太鼓たたきある晩、若い太鼓たたきがたったひとりで田舎へでかけ湖にくると、岸に3枚の白い亜麻布があるのに気づきました。太鼓たたきは「なんて素敵な亜麻布だ」と言って一枚をポケットに入れました。家に戻り、見つけた物をもう忘れて、ベッドに入りました。もう寝入ろうというときに誰か自分の名前を呼んでいるような気がしました。じっと聞き耳をたてていると、「太鼓たたき、太鼓たたき、起きて」と訴えている小さな声に気づきました。暗い夜だったので誰も見えませんでしたが、ベッドのあたりを人影がふわふわ飛んでいるように見えました。「何か用かい?」と太鼓たたきは尋ねました。「私の肌着を返してください」と声が答えました。「湖のそばでさっき私からとっていったものです。」「返してあげるよ」と太鼓たたきは言いました。「君が誰か教えてくれたらね。」 「ああ」と声は答えました。「私は強力な王の娘なのです。だけど、魔女の手に落ちて、ガラスの山に閉じ込められています。毎日二人の姉たちと湖に入らなくてはいけないんだけど、肌着がないので飛んで戻れないんです。姉たちは行ってしまったけど私は残るしかなかったわ。お願いですから私の肌着を返してくださいメルヘン 読む →
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麦の穂

麦の穂前の時代では、神様自身が地球上を歩き、土の実りは今よりはるかに多く、麦の穂は50とか60ではなく5~600も実がついていました。また、穂は茎の一番下からまさに一番上まで伸び、茎の長さに比例して穂の長さがありました。しかしながら、たくさん作られ、暮らし向きがとても楽になると、人間は神様からもらっている祝福をもう大事にしなくなり、無関心で注意しなくなるのです。ある日、一人の女が麦畑を通り過ぎていたとき、わきを走っていた小さな子供がせきにおち、母親の仕事着を泥で汚しました。これにたいし、その母親は美しい麦の穂を一握り引き裂いて、それで仕事着を拭きました。神様は、ちょうどそのとき通りがかったのですが、これを見て怒り、言いました。これから先は麦の茎にはもう穂をならせない。人間はもう天の贈り物をもらう資格がない、と。まわりで見ていた人たちは、これを聞いておそれいり、膝まづいて、お祈りしました。たとえ人には資格がなくても、それがなければ飢え死にしなくてはいけない無実のひよこのために、どうかいくぶんかは茎に残してくださるようにと。神様は彼らの苦しみを予見し、憐れみをもち、その要望をききいれました。それメルヘン 読む →
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土まんじゅう

土まんじゅうある日、金持ちの農夫は中庭に立って、畑と庭を見ていました。麦は力強く大きくのび、果樹は果物で重くたれていました。一年前の穀物はまだ床にぎっしり山になって、たるきが重さに耐えられないくらいでした。それから、家畜小屋に入ると、栄養たっぷりの雄牛、太った雌牛、鏡のように光っている馬がたくさんいました。しまいに居間に戻り、金を入れてある鉄の箱をちらりとみました。 こうして財産を調べ立っているうちに、突然すぐ近くで戸をたたく大きな音がしました。それは部屋の戸をたたく音ではなく、自分の心の戸をたたく音でした。その戸が開き、自分に言ってる声を聞きました。「お前はその金で家族にいいことをしてやったか?お前は貧しい人たちが苦しんでいることを考えたことがあるか?腹がへっている人たちにパンを分け与えたことがあるか?お前は自分の持っているものに満足してきたか?それとももっと欲しいと思ったか?」心はすぐ返事を出しました。「私は心が冷たく、人に憐みをかけることがなかった。自分の家族にやさしさをみせたことは一度もなかった。物乞いが来れば、私はそっぽを向いた。神様のことで悩むことなく、自分の財産を増やすことばかり考えメルヘン 読む →
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リンクランクじいさん

リンクランクじいさん昔、娘が一人いる王様がいました。王様はガラスの山を作らせ、転ばないで山の向こう側に渡ることができた者に娘を妻に与える、と言いました。すると、王様の娘を愛している男がいて、王様に、王女様をいただけますか、と尋ねました。「いいとも」と王様は言いました。「転ばずにあの山を越えることができたら、娘をやるぞ。」王女は男と一緒に行き、男が転びそうになったら支えてあげると言いました。それで二人は山を越えるために一緒にでかけましたが、半分登ったところで王女が滑って転び、ガラスの山が開いて中に王女を閉じ込めてしまいました。いいなずけの男は、山があっという間に閉じてしまったので、娘がどこへ行ったのか見えませんでした。それから男は大いに泣き、嘆き悲しみました。王様も惨めで、娘が行方不明になったところの山を壊し開いてみるように命令し、娘を外にだせるだろうと考えましたが、落ちた場所を見つけられませんでした。 その間に、王様の娘は、地中にとても深く落ちて大きなほら穴に入りました。とても長い灰色のひげを生やしたじいさんが、王女を出迎えて、召使になって命じる何でもやるなら生かしておくが、そうでなければ殺す、と言いましメルヘン 読む →
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水晶玉

水晶玉昔、一人の魔女がいて、その魔女には兄弟仲のよい3人の息子がいました。しかし、魔女は息子たちを信頼せず自分から魔力を盗もうとしていると思いました。それで、長男をワシに変えました。それでワシは山岳地帯に住むしかなく、空で大きな円を描いて飛んでいるのがよくみられました。2番目の息子はクジラに変えました。それでクジラは深海に住み、時に空中に大きな水しぶきをあげるときだけしか見れなくなりました。各々は1日に2時間だけ人間の形を留めました。3番目の息子は、母親が自分を獰猛な野獣、たぶん熊とか、狼とか、に変えるかもしれないと思い、密かに家出しました。若者は、魔法にかけられた王女が太陽の城に閉じ込められ、解き放たれるのを待っていると聞いたことがありました。しかし、王女を自由にしようとした人々は命を賭けていました。23人の若者がすでに惨めに死に、今はあと一人だけやってみてもよいがあとはだれも許されませんでした。恐れを知らない心をもっているので、若者は太陽の城を探し出そうと決心しました。 長い間放浪し、お城を見つけられないでいたとき、偶然に大きな森に入り込み、抜ける道がわかりませんでした。突然遠くに2人のメルヘン 読む →
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マレーン姫

マレーン姫昔、息子が一人いる王様がいました。その息子が強大な王様の娘に結婚を申し込みました。娘はマレーン姫といい、とても美しい人でした。その王子は、父親が娘を別の人に嫁がせたかったので、断られましたが、二人はお互いを心から愛していたので、あきらめようとしませんでした。マレーン姫は父親に、「私は他の方は夫にしませんし、できません。」と言いました。それで王様は怒って、日の光や月の光が入らない暗い塔を建てるよう命令し、塔ができあがると、「そこにお前を7年間閉じ込めておくぞ。その時、お前のつむじ曲がりが直ったかどうか見にくるとしよう。」と言いました。 7年間の食べ物と飲み物が塔に運び込まれ、そのあと王女と侍女が塔に連れ込まれ壁がふさがれて、天と地から切り離されました。二人はそこで暗闇の中に座り、いつ昼や夜が始まったかわかりませんでした。王様の息子はたびたび塔をぐるぐる回り、二人の名前を呼びましたが、外からの音は厚い壁をつらぬきませんでした。二人に嘆き悲しみ泣きごとを言う他にいったい何ができたでしょう。 やがて時が経ち、食べ物と飲み物が少なくなってきたので、二人は7年が終わりにきているとわかりました。解きメルヘン 読む →
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水牛の革の長靴

水牛の革の長靴恐れを知らない兵士は何事にもくよくよしません。こういう兵士の一人がお払い箱になって、何の手仕事も習いおぼえておらず何も稼げなかったので、あちこち旅をして親切な人たちの施しを求めました。背には古い雨合羽をまとい、まだ残っていた水牛の皮の乗馬靴を履いていました。 ある日、どこへ行くともなく野原をまっすぐ歩いていくと、とうとう森にやってきました。自分がどこにいるのかわからなかったのですが、立派な身なりをして緑の猟師の上着を着た男が、切り倒された木の幹に座っているのが見えました。兵士は男と握手してそばの草に腰を下ろし、脚を伸ばしました。「あんたはいい長靴を履いてるね。よく磨いてあるよ。」と兵士は猟師に言いました。「だけどおれのようにあちこち歩き回らなければいけないなら、その靴は長持ちしないだろうな。おれのを見てみろよ。水牛の皮でできてるんだ。長いこと履いてるんだが、これを履いてどんなところでも行けるんだ。」 しばらくして兵士は立ち上がり、「もういられないな。腹が減ってるから先へ行かなくちゃ。だけど、ピカピカ長靴の兄さん、この道はどこに行くのかね?」と言いました。「私にもわからないんだ」と猟師はメルヘン 読む →